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句集 でいでい 本表紙

句集 でいでい

セリ・イポポタム叢書004

五十嵐踏青 著

 

2012年1月―12月作の597句を収録

著者第10句集


総頁数: 178頁
掲載句数: 597句(2012年1月―12月作句)
新書判
発行年月日: 2013年11月22日
ISBN: 978-4-921152-04-8
定価: 700円+税

 

「セリ・イポポタム叢書」について

書肆半日閑が刊行する叢書のひとつ。本草書は2011年に創設された。その創設の趣旨は、叢書各巻の末尾に掲載されている次のような「セリ・イポポタム叢書刊行の言葉」に見ることができる。

 

 叢書の名『セリ・イポポタム』の基はフランス語のSerie Hippopotameである。Serieはシリーズの意である。HippopotameのHippo(o)はギリシャ語のhippo(馬)に、またpotameは同じくpotameに由来し、すなわち、「川の馬」、「河馬」である。したがって、セリ・イポポタムSerie Hippopotameは、日本語に直せば、「河馬シリーズ」である。同種の出版のシリーズの命名だから、「河馬叢書」とでもいうことになろうか。「書肆半日閑」は、これまで、欧米、特にフランス、ドイツ、イギリス、アメリカの近・現代の芸術・思想・歴史・文化等の、比較的大きな文献を主体に、それを日本語に翻訳して刊行してきた。この方針は現在も変わらず、今後も一貫して変わることはない。しかし、それとは別に、古今東西の時空の枠、文系・理系の分野の枠、各種言語の枠、翻訳・創作の枠、規模の大小の枠、内容の硬軟の枠、文字・映像・音楽の媒体の枠等、あらゆる枠を取り払ったものを本に編んで上梓することにした。河馬をはじめ、犀、象、鯨などの現代の地球上の巨大生物は、その形態においても生態においても、特異かつ貴重な存在で、圧倒的な存在感を保持するばかりでなく、その雄大さは、軽薄短小の跋扈する現代にあって、むしろきわめて斬新かつ新鮮であり、その悠々たる行動には、現代のせせこましい生活感覚にはない茫洋さと、悠揚迫らないものがある。叢書の名を「セリ・イポポタム」と命名した所以は、河馬という生物に愛着を抱くとともに、それが持つこうした要素にあやからんがためである。それが、「半日の閑を榎やせみの声」と詠んで、夏の半日を榎に鳴く蝉の声を聴いて過ごした蕪村のように、半日の閑を得て、読書なり思索なり愉楽なりに費やすことを意味する、「半日閑」という母胎の出版社名と一脈通じるものであることは言うまでもない。この叢書として刊行される書物が、それにふさわしい内容となるよう精魂をかたむけることを誓うとともに、このささやかな出版活動が、読者諸氏の知見の広がりと高まりに、好奇心と悦楽の深まりに、いくばくかでも資することを希求する次第である。

 なお、叢書名「セリ・イポポタム」のロゴタイプのなかの河馬二頭のイラストは、私蔵の印の印影である。また、本草書表紙の下半の線描画は、本草書の装幀を担当した五十嵐蕗子所蔵の、ドイツ二十世紀のベルリン・ダダの画家ハンナ・ヘーヒ(1889ゴータ―1978ベルリン)作のペン画【蜘蛛】(1946年)を、実物のほぼ1/4に縮小したものである」。

2011年6月 「書肆半日閑」代表 五十嵐賢一

著者紹介

五十嵐踏青は、「書肆半日閑」代表五十嵐賢一の俳号。著者はこの俳号で、現在まで10巻の句集を上梓する。