小説 ポモナ
ゲルトルート・ロイテンエッガー 著
五十嵐蕗子 訳
原書: | Gertrud Leutenegger, “Pomona”2004, Suhrkamp,Frankfurt am Main. |
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総頁数: | 183頁 A5版、上製 |
発行年月日: | 2013年1月30日 |
ISBN: | 978-4-88303-324-9 |
定価: | 1800円+税 |
解説
「わたしの夜の夢ではたいてい母はほの暗い地下室のりんご棚の前に立って、ゆっくり振り向き、ベルナーローゼりんごを一つ差し出してくれる…」。ポモナとはローマ神話の果実の女神。りんごをモティーフに、わたしと母、娘、夫との濃密な関係を、記憶と現実と夢想、現在と過去と未来が渾然一体となった詩的表現で描きだす。革新的な文学観に基づく、従来の文学作品の枠を越えた、新しい構造、新しい文体、新しい表現に加えて、巧みなストーリーの展開と登場人物の造形。
著者紹介
ロイテンエッガー、ゲルトルート
1948年スイス、シュヴィーツ(ドイツ語地域)生まれの小説、詩、戯曲詩を発表する現在活躍中の女性作家。一時期、数年間スイスのフランス語地域およびイタリア語地域で暮らすが、現在はチューリヒ(ドイツ語地域)に在住し、ドイツ語による作品を発表。
訳者紹介
1944年東京都生まれ 1975年早稲田大学大学院文学研究科ドイツ語ドイツ文学博士課程修了。ドイツ語教員として国立音楽大学に2009年まで勤務。
訳書:
- ユルゲン・ゼールケ著『女たちは書く―ドイツ・オーストリア・スイス現代女性作家の素顔』(共訳、1991年、三修社)
- ヴェロニカ・ベンホルト=トムゼン編『女の町フチタン―メキシコの母系制社会』(共訳、1996年、藤原書店)
- ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ著『自伝 フィッシャー=ディースカウ 追憶』(共訳1998年、メタモル出版)
- ライムント・ホーゲ著ウリ・ヴァイス写真『ピナ・バウシュ タンツテアターとともに』(1999年、三元社)
- クラウディア v. ヴェールホフ『自然の男性化/性の人工化―近代の「認識の危機」について』(共訳、藤原書店、2003年)
- イェルク・ツィンマーマン著『フランシス・ベイコン 磔刑―暴力的な現実に対する新しい見方』(共訳、2006年 三元社)
- カロリーネ・ヒレ著『ハンナ・ヘーヒとラウール・ハウスマン―ベルリンダダ物語』(2010年、書肆半日閑)
- ゲルトルート・ロイテンエッガー著『ポモナ』(2013年、書肆半日閑)